OL映画でいやし生活

どん底で終わるより、一夜の王でありたい。 by 「キング・オブ・コメディ」

映画

『川の底からこんにちは』 8.5P

kawano
 私的オススメ度:8.5P


~♪ 川の底から~、こんにちは~♪~
昨日からこのフレーズが耳から離れません。


ってなわけで、やっと見てきました「川の底からこんにちは」。この映画、周りの皆さんが面白い!とおっしゃっていたので、これは見逃すまいと思っておりました。

そしたら、同じ渋谷のユーロスペース、レイトショーでこれまためっさ見たかった「クロッシング」がやってるではないですか。平日の夜にまさかの2本立てにチャレンジしそうになりました。

さて、この映画、出だしが腸内洗浄シーンから始まり最後まで独特で個性的。下手したら既存感バリバリになりかねないような題材なのに、これだけ面白いのはすごい。

前半は若干の退屈感がありますが、それも彼女のキャラクターを描くための序章。後半はそんな彼女の開きなおった姿に圧倒され、最後は心地のよい満足感に満たされます。


誰も目をつけないような地味な”しじみ工場”を舞台しているあたりもよいのですが、なんといってもキャラクターがよいです。目をひくような魅力的人物でも、ものすごい欠陥があるわけでもない、
所謂普通、あ、いや「中の下」の人という中途半端さ加減をチョイスしているあたりが勇気があるし、ナイス!



「中の下」・・・
この言葉久しぶりに耳にしたけど、とっても懐かしい響き。

昔イケメンの彼氏と付き合っていたときに、母親から
「あんたの容姿は中の下くらいなのにねぇ。。」
と感心されてものです。
別れたときも
「大丈夫、中の下だけど、中だから。またいい人見つかるって」
と慰めされたものです。
おいおい、数年ぶりに渋谷の片隅で母親以外から「中の下」という言葉を聞くとは。


人物の癖とか特徴とかも、おもしろくリピートされていて、それだけでも楽しめます。

主演の満島ひかる、初見か?と思うほど、いままでの作品で特に目をつけてませんでしたが、いい女優さんになるキラリと光るものがありますね。地味にしててもかわいい容姿で、演技も上手だし。

大枠予想通りのストーリーも、工場の歌とブラックユーモア?で作り上げられた独自性のある過程は、笑いあり涙ありの印象に残る作品となっておりました。


エンドロールでぴあフィルムフェスティバル関連の作品と知って納得。

脚本もできる監督さんで、おっ!と思う人の中に、内田けんじさんとタナダユキさんがいるんだけど、いずれも確かぴあフェス新人賞出身。(違ったらすんません)

石井裕也監督の作品は初見でしたが、これまた一人面白い脚本もできる監督さんに出会ったなと思いました。



それでは皆さん
~♪ 川の底から~、こんにちは~♪~

 

 
 

『プレシャス』 7.5P3

pure
 私的オススメ度:7.5P

 
上映前から楽しみにしていた映画。

きっと、前情報なしでふらっと立ち寄って見たら、かなりいい映画をみたな ぁという満足感を味わえると思うのですが、予告を何度も見て、そのたびにうるっとして、かなり期待してしまっていたせいか映画としては、もう一捻り欲しいなぁと思ってしまいました。

っていうか、予告でいいシーンを見せすぎ。想像通り過ぎました。

そうはいっても好きなテイストの映画です。

主人のプレシャスはかなり太った黒人女性。お世辞でもかわいいとは言えない。家庭環境と言えば、プレシャスに辛くあたりこき使う無職の母親と二人暮らし。

生活費は生活保護に頼っている。彼女の不幸はこれだけに終わらない。幼少期から逃れようのない悲惨な環境で育ち、ふさぎ込んだ彼女はどうやって自分を解放していくのか・・・・

なんと言いますか、神様の不公平さを感じずにはいられませんでした。心のどこかで、ああ、私は何不自由ない環境で育って良かったなと思っている自分がいました。

産まれてくる環境と容姿は選べないもんね。この物語の救いは周りの人たちに恵まれたことだと思う。

退学になるプレシャスにフリースクールという存在を教える校長。プレシャスの話しを親身に聞くソーシャルワーカー。そして、彼女に勉強し知識を身につけることの大切さと楽しさを教えてくたレイン先生。それを支えるクラスメイト。それらの人たちの善意の心がなければ、いつまでも前に進めなかったかもしれない。

相田みつをの言葉で(←結構好きだったりする)

「そのときの出会いが人生を根底から変えることがある」

という言葉があるのだけど、プレシャスはその出会いによって人生を変えようと思えた、ある側面ではとてもラッキーな物語にも見えました。

 レイン先生役の女優さん、初見でしたがかなり目を奪われました。

知的な中に、厳しさと優しさ両方を持ち合わせたように見えるその容姿は、近年目を奪われた女優NO1です。後で調べたら、ポーラ・パットンという人らしい。

彼女だけでなく、母親役のモニークの存在感もすごい。
ラストのソーシャルワーカーに話しをするモニークは、子供を愛していた母親の顔と、女として子供を憎んでる顔と、自分も傷つけられた被害者の顔があって、そんな100%憎しみだけではない演技がせつなさを誘います。

モニークにこんだけ存在感あるのに、負けないくらいのインパクトの主人公はもちろん、ソーシャルワーカー役があのマライヤ・キャリーだったのかと思うと、役者という意味ではかなり見がいのある映画だと思います。

しかし、見終わった後少々悶々としました。

プレシャスはその後健康な生活を送れるのだろうか・・・

頼れる身内がいないのに、子育てをしながら働かずに高校、大学に進学できる制度がアメリカにはあるのか?ってか日本ならまずムリじゃないか・・・とかね。

顔が見えない男性を一番の加害者にして、尊敬している教師はレズビアンの設定・・・映画を見た帰り道に友達と、なんか女性の監督が作った感じするよねぇ、でも男性なんだよね。

と話しながら帰ってきて、後から調べたら、この物語の原作は『Push』という小説で、サファイアという黒人女性が原作者なんだとか。

なるほどね、と思う物語でございました。

プレシャス@ぴあ映画生活